資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の背景
2023年3月31日付で東京証券取引所から『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について』という資料が公表されました。
こちらの資料から背景を抜粋すると以下の通りだとです。
- 投資家を含めたステークホルダーの期待に応える経営を行ってほしい
- 現状は資本収益性や成長性が低く、PBR1倍割れの企業が数多く存在している
- 多くの経営者は本件に関して、改善意識が希薄で改善が必要。
対応要請の内容は以下の通りです。(こちらより引用)
なお、対象となっている企業は東証プライム市場とスタンダード市場の上場企業が対象。
個人投資家の観点としては、毎年、企業(株式)価値を向上させる取り組みが見えるかされるのは非常にうれしいですね。
一方で上場企業は運用負担コストが継続発生し、彼らに旨味が無いように思えます。
上記の対応を実施するためのポイントなども東証から公表されていますが、対応してくれるのか疑問に感じます。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の現状
プライム市場とスタンダード市場の上場企業が対策を検討し、順次開示を行ってくれています。
ただし、まだ、100%の企業が開示しているわけではないようです。
東証のサイトによると2023年7月中旬時点では以下の結果だったようです。
- プライム市場の31%開示(検討中含む)
- スタンダード市場の14%開示(検討中含む)
検討中でも開示済みに含まれる割にはかなり少ない印象を私は受けました。
日本企業の経営者らしいスタンスには思えますが、これは少し悲しい現実です。
東証はでは2024年1月15日から開示している企業の一覧の公表を継続的に開始するようです。
これで開示を避けている/見送っている企業が明らかになります。
私も個人投資家の一人として、企業の中長期計画など資料は投資の判断材料として非常に有益に感じています。
今回の開示未実施の企業も投資の判断材料の一つになるだろうと思います。
みなさんはどう思いますか。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の企業情報
市場 | ステータス | 2023年12月末時点 | 2023年7月中旬時点 |
東証プライム | 開示済み | 660 | 242 |
検討中 | 155 | 137 | |
記載なし | 841 | 856 | |
東証スタンダード | 開示済み | 191 | 32 |
検討中 | 109 | 88 | |
記載なし | 1319 | 767 |
上記の表はJPXが公表しているデータに基づいて表を作成しています。
企業名が記載されたデータがエクセルファイルででダウンロード可能になっています。
自身がお持ちの銘柄が開示済みになっているかもそのファイルを使えば簡単に確認が可能です。
今後は毎月15日前後に先月末時点での最新情報が公表されていくようです。
資料を読んだ限りだとスタンダード上場企業や時価総額の低い会社は本取り組みへの意識が希薄な印象は受けました。
やはり、私は継続して東証プライム上場企業を中心に投資を行っていこうと感じました。
なお、私の投資の基本的な考え方は以下の記事に掲載しています。